旅行関連テクノロジー・ニュースのまとめへようこそ。ここでは、旅行業界の未来を形作る最新の進歩、トレンド、イノベーションなどをご紹介します。

顧客体験を向上させるAIを活用したソリューションから、円滑なオペレーションを保証する最先端のネットワーク技術まで、８月はトラベルテックにとって画期的な月となりました。そのハイライトを探り、これらの開発がどのように私たちの旅行に革命をもたらしているかを見てみましょう。

Phocuswire: パートナーシップによる植林鉄道旅行予約ツールの開発

環境に配慮した検索エンジンEcosiaは、旅行プラットフォームOmioと提携し、グリーン・イニシアチブを支援することを目的とした新しい鉄道旅行予約商品「Ecosia Trains」を発表した。世界中に2,000万人のユーザーを持つEcosiaの検索エンジンは、米国、英国、ドイツ、イタリア、フランスを含む15カ国のユーザーが鉄道旅行を検索し、Omioの鉄道コンテンツに直接アクセスできるようになる。

EcosiaとOmioのパートナーシップは、環境に配慮した旅行オプションへの需要が高まっていることを示すものであり、進化する消費者の需要に応えるために持続可能性イニシアティブと連携することの重要性を強調するものだ。旅行会社は、環境意識の高い旅行者の嗜好の変化に対応するため、持続可能な旅行のオプションを促進し、環境保護活動を支援する旅行のありかたを自社のサービスに取り入れることを検討すべきである。
Ecosiaの検索エンジンに直接予約機能を導入することは、トラベルテクノロジーによって持続可能な旅行をユーザーにより身近で便利なものにするかを示す良い例であると同時に、デジタルプラットフォームがいかに差し迫った環境問題への取り組みを支援できるかを浮き彫りにしている。旅行業界が進化し続ける中、テクノロジー関連企業は持続可能性を促進し、より環境に優しい未来に貢献する同様のコラボレーションを模索すべきである。

Hospitality Net: 旅のディズニー化：自動化ツールは旅行者の体験に魔法をかけられるか？

AIとセルフサービスが旅行業界に与える影響をめぐる議論は、Hospitality Netの最近の報道からも分かるように、主流の注目を集めるようになった。ホスピタリティ業界における自動化とセルフサービスの台頭は、旅行中に人間同士のやり取りが失われることへの懸念につながっている。しかし、ディズニーは自動化が人間の手による接客に取って代わることなく、いかに旅行者の体験を向上させることができるかについて、説得力のある例を示している。ディズニーは、MagicBandsによるモノのインターネット（IoT）の導入に成功しており、テクノロジーと対人のバランスを示し、旅行者の期待の高まりに応えている。 

ディズニーはパーソナライズされた自動化ソリューションがコストを削減し、ゲストの体験を最適化し、印象に残るサービスを実現している。旅行業界にとって重要なことは、安価なセルフサービスと自動化ツールを活用しつつ、対人サービスも維持しながら利便性を提供することである。自動化されたチャットボットなどのテクノロジーは、人間の能力を補強し、質の高いサービスをもたらすことができる。効率性を最適化するためにテクノロジーを活用する一方で、旅行者の思い出に残る体験を創造する上で、人間によるケアとインタラクションの真の価値を示せるブランドだけが最終的な"勝ち組 "となるだろう。

Airport Technology: 夏の旅行急増のダウンタイムをどのように軽減するか

旅行需要が急増する中、航空会社はフライトの予約からスタッフとのコミュニケーションまで、あらゆる場面でデジタルアプリケーションやネットワークへの依存度を高めている。そんな中、準備が整っていない航空会社は、深刻なネットワーク停止のリスクを抱えており、これは渡航者の旅行計画に影響を与え、財政的にも評判的にも致命的な結果をもたらす可能性がある。

Airport Technology 誌の記事では、旅行のピーク時のダウンタイムを避けるために、航空会社はDPI（ディープパケットインスペクション）ソリューションを活用し、デジタル環境の可視性を向上させることを優先すべきだと強調している。DPIソリューションは、ネットワーク・パフォーマンスを完全に可視性し、問題点の迅速な検出と対処を支援するものだ。航空業界は、デジタル・サービスの問題点を積極的に監視して緩和することで、スムーズで効率的なサービスを確保し、ビジネスの継続性と顧客満足度の向上につなげることが実現できる。

Phocuswire: AIインサイト: 企業トラベルとコミュニケーションのためのAI

旅行関連業界の各ブランドは、OpenAIやGoogleなどの企業が提供する人工知能ソリューションを模索し、活用している。このシリーズでは、Phocuswireが大手旅行ブランドの技術専門家を調査し、専門知識と洞察力を深めながら、インテリジェンスと創造性を強化するために、ますますアクセスしやすくなっているAI技術をどのように活用しているかを測定している。
 
本記事では Flight Centre Travel Groupが使用したAIの注目すべき応用例について詳述している。同社は、パーソナライズされたポリシー・コミュニケーションの作成に重点を置いており、トラベル・マネージャーはAIを使って、様々なプラットフォームで従業員の予約行動を誘導するための通知やナッジを簡単に作成することができる。AIを利用するには、ガバナンスの確立や人間の監督下での責任ある共存を提唱するなどの課題があるものの、AI技術は旅行業界にとって大きなチャンスだ。AIは複雑な活動を迅速に実行し、職場の雑務を取り除くことにより、従業員がより優先順位の高い仕事や個人的な交流に集中できるようにし、顧客へのサービスの質を向上させる可能性を秘めている。このテクノロジーへの投資は、旅行業界の他のブランドにとっても、業務の合理化、顧客体験の強化、データ主導の意思決定を促進し、革新的な進歩を実現することができるだろう。

Travel Pulse: 欧州・新入国システムの旅行者への影響は？

2024年1月から、米国のパスポート保持者およびその他60カ国以上の国民は、ほとんどの欧州諸国を訪問するためにEU渡航情報・認証システム（ETIAS）ビザを事前に申請する必要があるため、渡航環境が大きく変わる。旅行業界は、渡航者への認知を促し、キャンセルや払い戻し請求を防ぐために必要なビザの取得を支援する必要がある。ETIASは米国人旅行者にとっては新たなロジスティクスのステップになるかもしれないが、有効期限は3年間であるため、恒常的な障壁というよりはむしろ定期的なハードルとなる。テクノロジーに精通した旅行アドバイザーや旅行代理店は、この手続きを通じて旅行者を案内し、ビザ要件に関する最新情報を提供する上で重要な役割を果たすことになるだろう。

オンラインにおけるビザの手続きは、急増する申請を安全かつ効率的に処理する旅行技術企業にチャンスをもたらす。混乱を防ぐという観点からも、旅行アドバイザーはこの新しい要件について旅行者に通知する上で重要な役割を果たし、旅行保険会社は、適切な保険に対する需要の増加から恩恵を受ける可能性がある。渡航規制の進化に伴い、ビザ取得プロセスを合理化し、顧客体験を向上させる上で、テクノロジーの活用は極めて重要になるだろう。まとめると、ETIASの導入は、ビザ手続きを合理化し、旅行者に必要な情報を提供することで、スムーズで快適な旅行体験を保証するトラベル・テクノロジーの重要性を強調している。