ケーススタディ

分散化された市場における新規路線の開拓

カリブ海のビーチ、広大なコーヒー農園、植民都市、文化体験、世界で2番目の生物多様性。こうした魅力から、コロンビアは、長きにわたって、人気の観光地であり続けてきました。コロンビアを訪れる観光客数も2018年には420万人を超え、2014年と比較すると50%増加していることから、他のラテンアメリカ諸国の人気の観光地にとって脅威となっています。

ラテンアメリカの地域特性として、観光客の流入元が非常に分散されている点が挙げられます。各国に存在する大型空港の数も限られていますが、経由可能な乗継空港が多数存在しています。従って、目的地へと到達する方法は多岐にわたりますが、多くの場合、乗継やストップオーバーが必要となることから、敬遠されてしまいがちです。

増加する観光客の需要に応えるためにPROCOLOMBIAが主に焦点を置いていた内容の一部は、コロンビアへの新規の直行路線を開拓することと、既存の航空路線を拡大させ、他のラテンアメリカ諸国のハブ空港に流れ込む旅客を結びつける新たな乗継路線を生み出すことでした。

課題

当社にとっての課題は、訪れる観光客の出発地を把握することです。例えば、マドリードは、欧州からコロンビアへ向かう際の主要な玄関口といえます。しかし、その旅客の大多数は、他の欧州各地から乗り継いでいます。そのため、旅客の出発地を把握し、それらの国々からの直行便を強化するための議論を航空会社と行う機会を作ることが課題となっています。OAGと業務を進める以前、当社は十分なデータを備えていなかったため、新規ルートの交渉のために航空会社にアプローチしようにも、困難な状況にありました。運航スケジュールを把握するために、各航空会社に個別にアプローチし、試行錯誤をしながら経路を分析する必要がありました。

OAGとの提携に伴うデータに基づいたアプローチは、2018年から2022年の間にさらに観光客を200万人増加させるという政府目標の達成を目指すPROCOLOMBIAにおいて、中心的な役割を担っています。

ソリューション

当社がどの分野に注力すべきかを理解できたのは、OAGが提供するデータが、新たなサービスや市場の本当の機会がどこにあるかを可視化してくれるからです。

OAGのスケジュール、トラフィック、コネクションアナライザーのプラットフォームを駆使することで、当社では、新規ルート展開の機会をもたらす航空会社向けのビジネスケースを作成することが可能となっています。

トラフィックアナライザーにより、直行便以外の旅客の経路、または直行便が未就航の市場に関するデータを把握し、近距離便・長距離便を含め、どの市場に注力すべきかについて、非常に明確なアイデアを得ることができます。

コネクションアナライザーでは、統計モデルで使用する変数へのアクセスが可能となります。これにより、渡航者がコロンビアへと移動する際に考え得る最良のルート、または最もよく使用されるルートについてのインサイトが提供され、プロモーション活動への注力が可能となっています。

スケジュールアナライザーにより、競合する近隣諸国が注力しているサービスや乗継便情報を追跡することが可能となり、提供するルートや供給席数における競争力を強化することができます。近隣諸国に直行便を運航している航空会社の数を、都市間および地域間の乗継情報とともに確認できることから、競合のベンチマーキングに貢献します。

成果

OAGの豊富かつ高い提供頻度のデータにより、PROCOLOMBIAはこの地域の観光市場のダイナミクスを完全に理解することができました。収益性の高い新規ルートを開拓するために、協力すべき航空会社と各路線に関する理解も深めることができました。

OAGは、洞察に富み、詳細な内容のレポートを提供することから、直感ではなくデータに基づいた意思決定が可能となります。当社は、このデータにより、潜在的なパートナーとなる航空会社との交渉をより積極的に行い、増加する観光客数の目標を達成するのに役立つ新しいサービスを開発しています。