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日本の宝石:航空業界でポテンシャルのある沖縄を探る

作成者: OAG|2017/03/03 8:00:00

沖縄の綿密なデータ分析に専念するスカイスキャナー(Skyscanner )と当社が、初めて共同したシリーズです。スカイスキャナーが今年1月に発表した記事では、5つある日本の島のうちの1つである沖縄が、2017年、7つの人気スポットのうちの1つであることがわかりました。そこで、刺激的な旅行先である沖縄をともに見てみましょう。

日本の亜熱帯地帯である沖縄が、昨年では英国から行く目的地検索において44%も上昇して、グローバルな旅行先として人気が高まっています。航空業界にとってこの新進気鋭(しんしんきえい)なアジアの行き先を利用するために、どのような選択肢があるのでしょうか?

就航している航空会社42の定期便のうち、いずれかの便が直行で沖縄に到着します。定期便42のうち28国内線で、全航空会社の座席数85%を占めていますが、台湾、仁川、香港、上海、そして北京などの北東アジアの主な中心都市へ多くの国際線があります。

2017年2月 沖縄定期便ルート

ネットワークのルートは、過去数年にわたり非常に安定しているためルートの追加や削減もなく、比較的ほぼ短距離便に集中しています。驚くことに、ここ数年ではバンコクが最初に追加され、20172月、ピーチ・アビエーション(Peach Aviation)が初めて沖縄とバンコクを就航します。この他、唯一全日本空輸による長距離便が米国アリゾナ州フェニックスまで不定期で運航しています。

直行便がない:未開発!

ルート作成業務に従事している人たちは、当社が徹底的に調べた世界的に検索数が最も多い沖縄(OKA)を離着陸するルートの明らかなデータに興味を持つでしょう。しかしどのルートで直行便がないままなのでしょう。沖縄とロンドンの直行便の検索数は3万ツアー以上と、日本へのインバウンド(訪日外国人旅行)のトレンディな行き先として最も検索数が多いです。成都市、マカウ、昆明長水もアジア地域の中で著しく需要が多いルートであり、全て注目すべき人気都市です。沖縄からのアウトバウンドでは、沖縄(OKA-デンパサール(DPS)ルートに人気があり、昨年、世界的に4万件以上の検索がありましたが、以前としてどの航空会社も直行便を提供していません。沖縄からマニラ、LA、ホノルル、成都市へのルートは、全て世界的に2万件から4万件の検索数があるので十分な機会があるように見えます。

利用できる直行便がないことで、多くの見込みある旅行者が遠ざかっているかもしれません。OAG Traffic AnalyserPassenger marketsトップ10の中では、沖縄からホノルルやマニラが目立っていますが、スカイスキャナーが記録した沖縄からロンドン、成都市、昆明まで旅した実際の旅客者数の割合はわずかです。これによると需要はありますが、最終的に予約しようと決めた旅行者の数を押し上げるような代替ルートを開始する機会が航空会社にあります。

確かに、ホノルルへの直行便は良いルート候補のように見えます。年間およそ4万人の旅客者が乗り継ぎ便で旅行をしており、さらに沖縄と米国の他の都市では16万人もの旅行者がいます。米国で乗り継いで沖縄に行くルートは東京で乗り継ぐよりも時間がかかりますが、中にはこのルートを利用すると決めた旅客者もおそらくいるでしょう。

直行便がない:突然舞い降りた機会 

スカイスキャナーのデータから分かるのは、沖縄を離着陸するいくつかのルートが未開発なのは、予約率が平均より低いルートには選択肢があるというわけで、それはさらなるエアサービスの機会があるという事に私たちは納得させられます。最大である上海(SHA)から沖縄へのルートは、去年たったの50万件の検索数で予約率が平均より低かったのです。下記に示す未開発ルートのトップ10を見てみます。

販売されているSHAOKAルートが、非効率な収容力であるという単純な問題ではなさそうです。OAGスケジュール・アナライザーによると、201611月までの12カ月間、中国東方航空と吉祥航空の間で429,438席の利用が可能でした。OAG Traffic Analyserでは、わずか22万3千人の旅客者が沖縄と上海の直行便を利用し、そしてさらに9万2千人の旅客者は1回、または別の便へと乗り継ぎ、飛行機は満席ではなかったように思われます。この2都市間を旅行するたったの2%の旅行者が、他の空港を経由する乗り継ぎ便を選んだ事実が確認されました。

航空会社の選択、価格、またはスケジュールが原因で、この沖縄-上海ルートの飛行機が満席でなかったかもしれません。新しいオペレーターの参入、特に格安航空会社(LCCがこれに対処します。

どこに資金を置くか? イールドマーケット分析

以下スカイスキャナーのトラベルインサイト(Travel Insight)のデータツールからのデータと、当社のイールドグラフ分析が示すように、現在運航している都市ペアを比較した旅客者1人当たりの収益を示しています。岡山(OKJ)と沖縄(OKA)のルートは、1区間250米ドル以上と非常に高い費用がかかることを示しています。反対に沖縄(OKA)-神戸(UKB)ルートは、約1200㎞と非常に長い飛行距離にも関わらず1区間およそたったの70米ドルの費用です。沖縄-神戸ルートを運航しようとする航空会社は、高い収益が見込める可能性を考慮する必要があります。下記のマーケットは、市場規模によりますが直行便のサービスを検討すべきであり、もしくはハブで乗り継ぎが可能かもしれません。