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Punctuality League 2020

作成者: Deirdre Fulton|2020/01/08 13:57:07

定時性の維持に規模や混雑度は影響なし?

OAGの発行する年刊Punctuality League(定時運航率ランキング)は、世界中のあらゆる規模の航空会社と空港 (特に空が混雑している場所でも) が、優れた定時運航を達成できることを実証しました。すべての航空会社と空港の定時運航率向上のために、高い実績を持つ航空会社や空港を明らかにすることで、他社はそこから学ぶことができます。そしてもちろん、定時性は業務効率の指標としても注目され、乗客の満足度と株主の満足度にもつながっていきます。

2019年通年で、最も定時運航率が高かった航空会社および空港はどこでしょう?

航空会社部門で1位に輝いたのは、ガルーダ・インドネシア航空で、2019年通年で95%の確率で定刻どおりに運航しています。混雑の激しいジャカルタのスカルノ・ハッタ国際空港からの全出発便の35%を運航している航空会社としては、かなりの偉業といえるでしょう。同空港の第三滑走路は2019年の途中から商業運用が開始されており、2020年にはさらに定時性を改善できるかどうかが注目されます。

世界の反対側では、コパ航空も素晴らしい業績を上げました。コパ航空はパンクチュアリティ・リーグで上位の常連で、今回は第2位にランクインし、定時運航率は92%にまで引き上げました。定時性は、長年にわたりコパ航空の運営の重要な特徴であり、パナマ空港のハブ空港としての円滑な運営に貢献してきました。
 
世界最大の「メガ」航空会社の中で第2位にランクインしたアエロフロートは、ヨーロッパの大手航空会社に対して、定時性を向上させる方法を示しています。事業の徹底的な分析と、新しく、信頼性の高い機材の運用との組み合わせが、勝利の要因のようです。
 
北米では、デルタ航空がトップ20に仲間入りし、航空会社の規模が定時運航の妨げにならないことを改めて証明しました。
日本はOAGのパンクチュアリティ・リーグでいつも大活躍しています。日本最大の航空会社である全日本空輸と日本航空は、それぞれ7位と15位にランクインし、世界の航空会社トップ20にも入っています。空港も非常に好調で、羽田空港は世界の「メガ」空港の2位に、成田空港は「主要」空港の11位、伊丹空港は3年連続で「大規模」空港の第1位を獲得しました。
他にも複数の空港がランクインしている国が2ヵ国あります。アメリカとブラジルです。これは、運営効率を優先させるという点で、空港当局間の一貫性を示している点で注目すべき点です。アメリカは各カテゴリーのトップ20空港のうちの半数近くを占めています。これらの空港の中には、米国内で乗り継ぎをする人にとってなじみのあるほとんど全ての空港が含まれており、ハブ空港の運用が定時運航に非常に大きなインセンティブを与えることを示しています。ブラジルも、計9空港が各カテゴリーのトップ20空港にランクインしています。
航空会社にとっても空港にとっても、定時運航率を向上させる鍵は自社のパフォーマンスを明確に把握することであり、それにはタイムリーかつ正確なデータが必須です。ここで取り上げた航空会社や空港の多くは、データの洗練されたユーザーであり、業務のあらゆる側面から洞察を得ています。OAGは運航状況データの提供者として、定時運航率の向上に向けた取り組みの重要なパートナーであり、OAG Punctuality Leagueなどのベンチマークになるデータの公表は、パフォーマンスの向上を目指す航空業界全体への貢献になると考えています。
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