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クアラルンプール: 格安航空の先駆け

作成者: OAG|2017/07/14 0:00:00

クアラルンプール国際空港(KUL)は、エアアジアが格安航空会社のハブ運営に成功したことで、革新的な空港として注目を集めています。

空港にとって、 格安便の乗継トラフィックを大 量に確保できる可能性があるこ とと、 格安乗継便の運用に成功するこ ととは全く別の話です。クアラ ルンプール国際空港は、その格 安乗継利便性でOAGのMegahub Index 2016で10位にランクされ ましたが、この指標は現実では なく可能性を反映しています。 実際の格安乗継利便性を測定す れば、ランクはずっと高くなると考えられます。

2017年2月までの12ヵ月間、KULを離発着する旅客予約5,100万人のうち、1,210万人(24%)が同空港で航空便を乗り継いでいました。これはバンコク・スワンナプーム国際空港(BKK)よりも高い比率であり、シンガポール・チャンギ空港(SIN)よりはるかに少ない比率です。乗継客の半数以上がマレーシア航空を利用していますが、現在ではエアアジアとエアアジアXが同空港での乗継トラフィックの1/4を占めています。

エアアジアのFly-Thru乗継サービスは、元々地点間航空サービスとして知られていましたが、乗客は手荷物を回収することなくKULを通過することができます。国際線の乗客に対する入国審査と空港税の免除はありません。乗継便が遅延した場合、航空会社は乗客のために無料で別の便を予約します。

その結果、まったく新しいマーケットを切 り開くことに出遅れたエアアジアは、マレ ーシア航空の利用客と非常に類似したペア となる国々の間を移動する乗継客を引き付 けています。乗継マーケットのトップ10ペ アの多くで、エアアジアはマレーシア航空 と激しく競合しています。 特にインドネシアとマレーシア、マレーシ アとシンガポール、マレーシアとタイ間の 国内マーケットは 熾烈です。エアアジア の乗継トラフィック比率が小さいのは、イ ンドとの航路です。

ガトウィック空港のように格安航空で旅する乗客向けに自己乗り継ぎを容易にしている空港の例もありますが、バリューアライアンス、エアアジアなどのようにフルサービス航空会社とほとんど変わらないサービスを提供して成功している格安航空会社の例もあります。