距離・時間・キャパシティは、航空業界におけるTop 10決定基準の一部に過ぎません。他にも基準対象は数多くあります。例えば、収益のTop 10。あまり頻繁に共有されることのない、非常に興味深いランキングです。
弊社フライトスケジュールおよびトラフィックデータとを組み合わせ、Top 10リストを作成しました。下記の興味深いデータをご覧ください。
世界 Top 10ルート(収益基準)
世界で唯一10億ドルを超えるルート、ブリティッシュ・エアウェイズのLHR-JFK線は、ブリティッシュ・エアウェイズ2017年総収入の約6%を占めています。1時間あたりの収益に換算すると24,639 USドルに相当しますが、実は、これはランキング中トップではありません。1時間あたりの収益では、第3位のエミレーツ航空LHR – DXB線がトップです。
収益Top 10ルートのうち5ルートもがロンドン・ヒースロー空港に到着、もしくはこの空港から出発しています。ヒースロー空港における競争激化はこれら高収益ルートに影響を与えるため、この事実は第3滑走路建設に対する議論の説明となるかも知れません。
また、ワンワールド・アライアンスは、ヒースロー線にサブブランドが必要でしょう。世界収益Top 10のうち3つのルートがヒースロー空港を共有しているからです。
これらTop 10全ルートは、一般的にワイドボディ機と高頻度サービスによるもので、例えばカンタス航空のMEL-SYD線は、この1ルートだけで1日約65便もが運航しています。通常こういったルートは、ビジネス利用や出発間際の予約が多く、より高い収益が得られる傾向にあります。運営コストは高額ですが、それ以上の収益の見込みがある訳です。
上記は、データ解釈の1つに過ぎず、また、データセット組み合わせの価値が強調されていますが、現在運航中の高収益ルートに対して、新しい見方を提供するものとなりました。